9月16日(土)
ソバはタデ科に属する 一 年草の草本植物 学名 Fagopyrum esculentum
ソバは一本だけでは「実」がならない。何本あったとしても、同じタイプの花では「実」がならない。ソバはヘテロスタイリーといわれます。ソバのめしべには短柱花と長柱花があります。そして、同じ短柱花および長柱花どうしでは受粉できません。めしべ、つまり花柱(Style)の長短で短柱花をShort ,長柱花をLong styleと呼びます。このめしべの長さに差のあることをHeterostyleと呼びます。
長柱花には短柱花の花粉が必要で短柱花には長柱花が必要です。
花は咲いても実がならない、無駄花が多いのはこの為です。ソバは他家受粉の植物です。受粉するには訪花昆虫(蜂、ハナアブ類、)の手助けがどうしても必要です。アメリカでは開花期にわざわざ蜜蜂をレントします。実になるそばの花は少ない。受粉率は12%と言われます。

昆虫も能率的に花を訪れ蜜を集めます。花が少なく疎らに咲いているようなところは敬遠するといいます。「ソバの科学」 長友 大著でミツバチの行動が紹介されています。ミツバチの食物である花粉や蜜のある場所を仲間に知らせるのに「円舞」と「尻振りダンス」がある。ミツバチは、尻振りダンスの回転数によって、正確にあらわし、力強く幾度も回転してくりかえし踊るときは「近く」を意味し、ゆっくりした回転は「遠い」を意味する。さらに距離だけでなく、ミツバチが方向を知らせるためには、尻振りダンスの「直線路」の方向が、太陽の動きを同じ角度で変わってゆくことも分かっているという。

ソバの花をようく観察すると、5枚の花被、外側に5本、内側に3本計8本のおしべ、及めしべ(三稜形の子房と、その先が3本に分かれた3つの中頭)からなる「左右対称花」である。
開花の始まる時期は、ソバが結実量を決定する重要な時期といわれます。開花後の環境条件とうまく合うならば、生産量は最大になります。株はちょうど自分が完熟させることができる量にみあった結実を行おうとします。環境条件が悪くなると、結果として未熟粒がふえます。その後、環境条件が改善したとしても、結実期間が長くなるので、収量は水準より低くなり、熟しかたにむらがでます。
蜂はソバの花の色を認識できる。
We have been curious to know whether the bee tells flowers apart by their colors. In one of these tests, a bit of sirup was put in front of a blue card, and no sirup in front of a red card. After a while, the bees would come to the blue card, no matter where it was placeed, and even if it had no sirup in front of it. This proved they could tell colors apart.


畑を見たとき一瞬息を飲みました。一面にソバの花が咲きだしています。茎の長さは80センチにもなっています。9月2日に後播きしたソバと較べると大きさが随分違います。開花が始まる時期は草丈の増加が最も盛んな時期であり、開花期は25日にも及ぶという。
因にソバは英語でbuckwheat(バックウィート)といいます。ドイツ語のbuchweizenが訛って英語名に転化したそうです。Buche(ブーフ)ぶな、weizen(ヴァイツェン)小麦。

小塩 節さんの「木々を渡る風」のなかにあります。
p16
古来ドイツ人はブナの幹や板に文字を刻み、ほとんど宗教的にこの木を敬い愛し、日本のソバの実とよく似た形の実を食用してきた。いまでも実から上質の植物油をとり、搾りかすは豚の餌にする。学名ファーグスは、ギリシャ語で「食べる」の意だ。この話はおもしろい。ちょっと長くなりますが続けます。
p112
 昔、ドイツ人やイギリス人の祖先のゲルマン民族は文字を知らなかった。フランスの先住民族ケルト人も知らなかった。彼らは紀元直後のころ、アルプスの南から文字というものの存在を知ったらしく、24個のルーネ文字をつくった。鋭い刃物の先で、それら呪文のような記号文字を、滑らかなブナ材の板に、引っ掻くように記した。だが、どうも不便なので、たちまちルーネ文字はラテン文字に駆逐されてしまった。しかし、「書く」ということばは残った。鋭い刃物などで「引っ掻く」ことを、ラテン語でスクリーベレという。これをそのまま借用したのがドイツ語のシュライベン(書く)、英語のスクライブ(書く)、スクリプチャー(文章)である。エジプト産のパピルス紙も、高価なギリシャ産の羊皮紙も持たぬ貧しいゲルマン民族は、もっぱら滑らかなブナの枝や板にルーネやラテン文字を引っ掻いて書いた。それでドイツ語では「文字 字母」のことを、いまでも「ブナの枝」(ブーフシュターベ)という。そして文字を使い、ことばを書いた「本、書籍」を英語ではbook,ドイツ語でBuchというが、これは「ブナの木」Bucheの語そのままなのである。