Tips & How to  Q & A  
Q10:
ちょっと、更科そばについての質問で、そばが打っている時点で切れやすい感じかして、切ったときには5cm位に切れます。そば粉:つなぎ粉(8:2)で加水量60%(60度位御お湯)で、信濃屋さんホームページで紹介しているとおりにやっているつもりなのですが、長いそばが打てず、悩んでいます。こつや注意点があればお教え願います。
A10:
記された加水、加水量60%(58〜60)で問題ありません。ただ、加水につかう湯(60度位御お湯)は熱湯をつかってください。しゅんしゅんに沸いた熱湯です。更科の湯練りとは、そばでんぷんを完全に糊化させることです。
あとはしっかり水回しをして、やさしく延すこと。もしくは工夫があるとすれば、地伸しの前にでっち玉をポリ袋に密閉して5分ほど放置してみてください。しっとりしたでっち玉になっているはずです。八寸の長さの更科ができれば、それはちょっとしたものです。


Q9:
最近色々なブレンドをして楽しんでます。今は、玄挽き10%+挽きぐるみ10%+更科80%の二八がお気に入りですブレンドするときに何か良い目安とかありますか?例:風味を引き立てる配合、喉越しをよくする配合など。現在は5%単位を目安に配合比を変えてトライしています。

A9:
当社手打ちそば教室の植田がお答えします。今のブレンドのやり方で良いとおもいます。ただ、甘皮系の青菊に白菊や更科を少しブレンドするのは意味がありません。

例1 白菊700g、玄挽き50g、青菊50g、つなぎ200g
 この場合白菊の食感を残しながら、玄挽きで目を、青菊でほのかな香りを楽しみます。

例2 青菊700g、白菊50g、挽きぐるみ50g、つなぎ200g
 全て青菊だけが強調され、白菊、挽きぐるみは生かされません。


Q8:
初歩的な質問がありまして、お暇なときで結構ですの御指導下さい。うどん麺線と同じ感覚で茹でますと(数10秒で)、茹で湯が寸胴なべからあふれます。これはうどんには無い特徴です。何故、小麦粉と違ってこのように泡立つのか知りたくレクチァーを、お願い致します。お仕事のお暇なときで構いませんので、宜しくお願いします   
A8:
原因は打粉にあるみたいです。以下ふきこぼれはうどんでもそばでもあります。原因はでんぷんにあります。手打ちそばの場合、加水量が多くひっつき防止のため花粉を多めにつかいます。花粉はそばでんぷんです。釜の熱湯のなかで花粉はアルファー化して釜の湯が粘ります。その為吹きこぼれがおこります。それに反してうどんの場合、そばほど打粉をつかいません。(うどんの打粉は、ワキシスターチ、コーンスターチを使うのが一般的です)しかし、湯がきはじめて何杯めかになると釜の湯は確実に粘りふきこぼれはおこります。

Q7:
手打ちそばにある打つとはどういう意味なのでしょう。
A7:
実はあるそば屋さんからの電話です。小学生に聞かれてどう答えていいものか。私共にしてそのことに違和感を感じることはありませんでした。「昔からそういわれてきた」。でも一般の方にしてみれば、不思議なのです。「なぜ打つでなければいけないのか」。新島繁編「蕎麦の辞典」そばうちの項には次のようにあります。手打ちそばを作ることを「そばを打つ」という。生地をのばすとき、麺棒を軽く生地に打ちつけてからころがしていく。この麺棒がそばに当たる瞬間の音から、「打つ」という表現が生まれたという説がある。昔の農山村では、刈り取ったソバを天日で乾燥させてから棒で叩いて脱穀した。この棒を「そば打ち棒」とか「ぶち棒」などと呼んだ。とあります。

因みに手打ちそばの
については「たべもの歳時記」 池田弥三郎著で次のような解説があります。という語には、「自家製の」といった意味がある。織りという語は今もあるし、調布と書いて、万葉集などで、「てづくり」とよんでいるのはやはり自家製の布のことで、今ならホームスパンということだろうと思う。手打ちそば、と名のったそばは、だから、自家製のそばというということであるが、、、。 

石川文康さんが書かれた「そば往生」p138 
長州でお手打ちにあうありがたさの箇所にありました。説明は合理的で納得できます。実は、手打ちそばの「手打」には、もともと「手作り」という意味はない。それは、この句に詠われている「お手打」に由来する。「お手打」とは、武士が目下の者を刀で切り捨てるという意味である。何とも血なまぐさい表現ではあるが、そばを作る工程が、麺棒で生地を痛めつけ、最後に凶器さながらの包丁で切ることから、そう呼ばれるようになったという。その意味では、最近よく目にするようになった「手打ちラーメン」「手打ちパスタ」といった看板は「手打」の本来の意味に無神経な、明らかな誤用である。

Q6:
ここ数年新年は雪山で迎えるのですが、何とか年越し蕎麦を山中で味わえないかと思っています。道具の問題もありますが、一番の問題は下界のように蕎麦を洗う大量の水が確保できないことです。(水は溶かしてつかいます)。少量の水でおいしい蕎麦を作る方法は無いでしょうか。
A6:
こんなのはどうでしょう。冬の寒いときにつくります。生打ちのそば(消化がいいという理由)をゆがいた後、水洗いせずに丼にうつします。ざる出汁(そば湯)をかけ、生卵をおとして食べます。ちょうど飲み残した出汁をそば湯で割ったなかにそばを入れて食べる要領です。そばを水洗いするとは、喉ごしがいいように麺のぬめりをとることをいいますが、これもあまりやりすぎると、そばの風味までいっしょに洗い流してしまいます。むしろ水洗いしないほうが素朴なそばを新鮮に感じることができます。一度ためしてみてください。

Q5:
今年も新そばの季節を楽しみにしておりました。新そばならではの見た目や食感を満喫するには、人それぞれの好みはさておき、御社商品のうち、お勧めできる一品はなんですか。買い求める際に参考にしたいと考えています。
A5:
年によって出来不出来があり新そばが絶対においしいとは限りません。新穀を製粉するときは緊張します。思惑どおりの歩留まり、白度に粉が仕上がるか。当社では甘皮部分が多く入る青菊を一番の基準にします。水回しのときに香りがたつか、食べたときの食感はどうか。いつも通りの青菊ができたとき、ほっとするが本音です。粉屋にとって、このいつもどおりが一番大事なところです。さて、おすすめということですが、上記青菊、また全粒粉の挽きぐるみあたりはいかがでしょう。

Q4:
最近気になることがあります。打った麺をゆがいたとき粉くさくかんじることがあります。打ち方に問題があるのか、粉なのか、なにが原因なのでしょう。
A4:
粉くさいというのは水まわしが完全にできていないことが原因です。手打ちを始めたころは、用意したカップの半分、またその半分と基本どおりに加水しますが、慣れてくると、一気に水をいれてしまいます。この場合、どうしても水を含まない粉が残ります。水まわしとは粉の一粒一粒に水をまわすこと。必要以上に時間をかけることはないですが、水まわしは完全にしてください。

手打ち棒
今日の打ち棒は二尺六寸1本、巻き棒三尺あたりが標準とされ、極太玉でないかぎり一坪の打ち場で、自由に振りまわすのが可能であろう。打ち棒は打つ棒であるが、麺帯をさすり延ばしているだけで、手打ちの所作が除かれているが、それでも手打ちと称しているのが不思議である。打ち棒は細く肌がなめらかで、しっかりとした粘着力、同時にある柔軟性と軽さを備えた材質が要求されるので、最高級品としては無節のいちょうである。一般には檜、朴の木が適しているとされ、これらの打ち棒の細いのは麺帯の生地の密度が高くなり、表面が荒れない、肌がなめらかでしっかりとした粘着力のある打ちあげができる。江戸風と呼ばれている三本を使用する技が考案されると、江戸のそばは一層発展し、大きな規範となったが、江戸時代の古書の挿絵をみても、ほとんど一本打ちであるが、正徳三年(1713)江戸中期の刊「誹諧」大黒柱五著によると「本職の蕎麦屋では大、中、小の三本あり、適当に使い分ける。長さも四尺物、五尺物、六尺物などがある」と初見あり、ようやくに裏付けを得ることが出来た。 「増音」鈴木啓之著 そば博物館


Q3:
新そばの加水量について教えてください。新そばになればそんなに違うのですか。もしそうであれば、加水は多めにするのですか、それとも少なめにするのですか。
A3-1:
夏場、常温保管した玄そばの品質劣化は著しいものがあります。保管場所の温度が高いと、玄そばは種子内で呼吸作用をはじめ、結果として風味を落します。それは農産物一般にいえることですが、そばは顕著です。ただ、低温保存されている玄そばは鮮度が保たれます。水分にしてもほとんど同じです。でもやはり新そばですから、同じとはいきません。加水量は気持ち少なめです。それにして1%位か。通常の加水量を用意して、水回しの最後の段階で若干調整するぐらにしてください。あまり神経質になりすぎると、水回しで時間をとられすぎて麺帯が乾燥してしまいます。最近聞いた手打ちそば屋さんの一言は参考になります。「新そばは最後の一振りでだまされるんだよねぇ」。
A3-2:水分についてのコメント
そば粉の含有水分は12.5〜13.5%とされます12-13年度の仕入れを参考に記します。玄そばをクラッシュし粉水分の計測は平均で13.41%尚、同原料の水分は平均で15.25%でした。また夏場、低温倉庫のものを水分検査したところ、上記平均値を上回っています。夏場の問題はまさに常温の暑さにあります。

Q2:
よく四つだし後の幅出しという行程がありますが、プロによっては1kg打ちとして70〜90cm近くの間で幅決めをしているようですが(専門誌などによる情報)、まず藪蕎麦の鵜飼氏の場合、四つ出し完了時で既に80cm以上出ているようです。また、なかむら田中屋の野中氏の場合、四つ出し完了時の幅は差ほど大きくないものを一度縦方向長方形に伸してから90度横に向ける幅出しの方法をとっております。私の場合、よほど加水を多くしない限り、四つ出しだけで80,90cmなどはとても無理です。信濃屋さんが考える効率のよい幅出しとは(基本的には)一体、どのようなものでしょうか。
A2-1:
ここで1Kg打ちとありますが、営業で打たれているところで1kgはあまり聞きません。そこで何人かに聞いてみました。四つ出しの幅についてですが、結局、店でだすそばで大事なのは麺線の長さと厚味である。何キロで打つか、また畳み方によっても違ってくるのであまりディテールにこだわる必要はないのではないかということでした。結局それは店にあったオペレーションのなかで決まってしまう。そこで具体的にどんなものですかと質問してみました。1Kgで打つ場合です。1.2メートルの麺棒で、両端にひとつずつ握りこぶしが残るくらいかなあということでした。
A2-2:
幅は粉の量に関係なく、麺棒の長さいっぱいに仕上げます。粉の量が少なくとも、小さな四角にはせず、縦はつまっても幅だけはいっぱいに取るようにのばさないと八寸の長さのそばが出来なくなります。「そば八寸」というのは、麺棒の長さが三尺か四尺で、それの幅いっぱいに広げたそばを上へ上へと四つにたたむと「七寸五分か一尺」になるので、折り目できれてもその長さは保てるからですが、折り目が手前ですと、包丁の刃先でひっかけられることがないので、倍の約60センチの長さのそばはできやすいことになります。これに対して、左から右にそばを広げ、戻して二つ折りにしたものを上から手前へ手前へと戻すようにたたんだのが「内折り」です。内折りにしますと、折り目が正面から見るときれいですので、お客さ様にお見せするのには適していますが、先がはねられ、そばは八寸になることが多いようです。         「そばしょくにんのこころえ」より             

Q1:
挽きぐるみ(荒挽き粉)を購入して、生粉打ちしたのですが、そばだまが固く、のしが極めて不完全になってしまいました。通常のそば粉だと、十分な加水量だったのですが、何かコツがいるのでしょうか。伸ばせた部分を細切りにして食べると、非常に美味しかったので、なんとしても、普通にのしたいのです。宜しくお願いします。
A1:
挽きぐるみは捏ねれば捏ねる程固くなる性質があります。まず、水まわしは3回位にわけて加水しますが、加水は63%位にしてください。(二八で60%です。)また、熱湯を使う必要はありません。水だけで充分です。捏ねる力は通常の1/2くらいです。また、捏ねる回数も通常の1.3倍位とふやします。力を入れて捏ねるとひび割れをおこします。
また、仕上げの段階ではとくに麺棒をやさしく扱ってください。挽きぐるみで打ったそばは麺に透明感があり、そばの魅力を広げます。実はこのワンポイントはある達者な方の意見でもありますが、彼の曰く、「一番大事なのは絶対にできると自分を信じてうつことだ」とのことです。もう一度挑戦してみてください。