そば浮世絵 第1集-2


     
写真は実物を本物以上にうまく写しとるが、実物以上に本物をみせはしない。見る側は背景を見ただけで、それがどんな出し物かがわかる仕掛けになっている。お気に入りの役者を目で追いかける。所作にある両足の角度は不思議に同じ方向を向いている。決めの構図。動きを固定させることで、かえって動きが誇張される。役者の顔を挿げ替えてやれば、つくりかえはいくらでも可能だ。カッと見開いた役者の目線は己の演技の得意を示している。オーバーデコレイトされた背景のなかでお気に入りの役者が絵のなかに定着される。